勝ちたいという意志。高橋重大(Amigresso前橋)
(当記事はシーズン開幕前から準備をしていたのですが、高橋選手が急遽Amigresso前橋を退団する事になり、公開のタイミングが遅れてしまいました。取材内容に関しては取材当時の情報であり現在とは異なる部分もある可能性がございますのでご了承ください。)
コート上では誰よりも闘志を剥き出しにして、相手ゴールに襲い掛かる。群馬リーグで長く活躍している選手であり、群馬選抜としての経験も豊富。選抜では全国大会での優勝も経験している。スピードとキレのあるドリブルが特徴で、対戦相手からすれば嫌な選手である事は間違いない。
試合となれば人が変わったかのように相手を威圧し、味方を鼓舞する。負けず嫌いだと本人が言う通り、勝ちたいという意思の強さをプレーからも見て取る事が出来る。試合終了まで必死に戦い続ける姿は一度見たら忘れられない程だ。
彼の実力はチームメイトは勿論、対戦相手までもが知っている。しかしその高い評価を受けながらも、タイトル等にはあまり恵まれていない。
自身が中心となり県内の有力選手を集めて作ったチームでフットサル選手権に参加するも、惜しくも優勝は阻まれた。
前述の群馬県選抜では全国大会へと駒を進めたチームの一員だったが、悲運にも全国大会序盤で怪我をしてしまい残り試合を欠場したが、チームは全国優勝を遂げた。
BFC-KOWAでは初の群馬リーグを優勝を手に入れるも、最大の目標としていた関東フットサルリーグ入替戦ではモランゴ栃木に競り負け、最後の最後で昇格を逃してしまった。
直後に話を聞くと、いつもいつも本当に悔しそうな表情をしていた。自分の責任を全うできない悔しさ、目標を達成できない悔しさから、出てくるのは不甲斐無い自分を責める言葉だった。
BFC-KOWA退団後に彼が選んだ新天地はAmigresso前橋だった。もう移籍する事は無いんじゃいかなと言っていた彼は、何故Amigresso前橋に移籍したのか。どんな想いでプレーしているのかを知りたくて話を聞いた。
簡単に自己紹介をお願いできますか?
Amigresso前橋所属、高橋重大、32歳です。
群馬県で生まれましたが、親の転勤もあり千葉県で育ちました。千葉県には小学校〜高校卒業までいてずっとサッカーをやっていました。高校卒業後、群馬に来ました。それからは群馬でフットサルやサッカーをしてきました。
フットサルを始めたきっかけを教えてください。
19歳の頃に誘われて山名クラブの体育館での活動に参加したのがスタートです。山名クラブでフットサルの群馬県リーグ2部に参加したのが最初の所属チームです。
その後、山名クラブから少し間は空きましたがBLITZに所属させてもらいました。ただその時は活動にあまり参加出来ずに終わってしまいました。
当時は並行してサッカーも山名クラブでやっていたのですが、BLITZから退団後ずっとフットサルチームには無所属でいて、その期間にサッカーの図南クラブへ移籍しました。その間はフットサルの活動はせずに2年間サッカーに打ち込んでいました。
その後、フットサルを再び始める時に所属先を探してバルドラール浦安の入団テストを受けに行きました。セグンドからみたいな話だったのですが、入団直前で監督との折り合いが付かず、色々考えましたが結局入団はしませんでした。
その後、BFC-KOWAへ入団することなりました。そこでは2年間プレーしました。BFCを退団して1年間無所属のままでしたがAmigresso前橋からのお誘いをいただき、現在Amigresso前橋で2年目を迎えています。
サッカープレイヤーとしての高橋選手について教えてください。
普通に小学校、中学校、高校って学校の部活で活動して、ポジションはフォワードをやることが多かったです。高校は、幕張総合という県立高校でやっていました。当時、強いチームだったんで、そこでは全然試合出れませんでした。ベンチ入りで終わりました。(笑)
高校時代に不完全燃焼だったのもあって、今も情熱を持ってボールを蹴り続けていられるんだと思います。
サッカーからフットサルに転向したのは、きっかけ等がありましたか??
図南クラブに所属してる時はジョセフとツートップを組んでいたんです。彼はナイジェリア人で当時19歳と若い選手でした。
当時の自分はいろいろ考えながらプレーして、弱点だったフィジカルもアップして、体重とかも筋肉で増やしたりしてたんですけど、彼はナチュラルで、あのズバ抜けたフィジカルがあって、言葉が通じないこともありチーム戦術とかもあまり理解できていなく途中出場が多かったにも関わらず、結果開けてみたら彼が得点王で、自分は2位だったんですよね。県では得点王を目標にしてフォワードとしてプレーしていましたので、その結果がもの凄く悔しくて。チームメイトなのに、彼がゴールを決める度に焦りを感じていたのをよく覚えています。
彼は若く、言葉の理解と共に色々なことを吸収しどんどん伸びていく姿を目の当たりにした時に、自分自身のサッカーにやっぱり少し限界を感じて、というのが一番かもしれないです。やっぱりサッカーで輝きたかったし、輝けたら一番でしたけど、サッカーで自分の限界を感じたのがフットサルへと転向したきっかけになったと正直に思いますね。
転向した時の心境を教えてください。
サッカーだとオンザボールの時間が一人あたり正味長くて2分くらいだと個人的には思っていて、90分の中で2分…。しかも、より簡単にプレーすることを要求される。それに対してフットサルはボールに触れる機会や時間が圧倒的に多いじゃないですか。オンザボールの時間が多いので、サッカーより自分次第で局面を変えられるっていう面白さを凄く感じていました。
サッカーで関東入替戦の最終戦で負けて、来期どうするかって悩んだときに個人的な思いもあったし、チーム的なこともありましたけど、、、やっぱり、フットサルで高みを目指してみようという思いがありました。やるなら高いレベルでしっかり学びたいということもあり千葉で育ったってのもあったので、バルドラール浦安でチャレンジしてみようと思ったんです。
実際フットサルとサッカー、どちらが好きかと言われたら?
今では完全にフットサルです。で、もっと言えば、フットサルはもっとちっちゃい時からやりたかったぐらいです。だから子どもにどっちを教える?ってなったらフットサルからやってほしいと考えています。日本はサッカーからフットサルみたいな流れがありますけど、それを逆にしたいという気持ちがあるので。
今までのフットサルの活動の中での思い出など教えてもらえますか?
そうですね、キャリア的には、群馬県選抜での全国優勝っていうのが一番なのかなって思われるかもしれないんですけど、そこは自分の中では、全く貢献できてないんです。ただ付いてきた結果だったと思っています。(高橋選手は全国大会中に怪我をしてしまい残りの試合を欠場)もちろん誇るべきことだとは思っていますけど。
成し遂げたってとこでいうとやっぱりBFC所属時に仲間と共に県リーグの優勝を勝ち取ったことだと思います。
フットサルをやってきて経験した、苦しい想いや悔しい想いがあったら教えてください。
BFC所属時に関東リーグ入替戦で最後の最後で負けたのはキツかったです。結構きましたね、精神的に。ダメージが大きくてしばらく立ち直れませんでした。(笑)
その他、試合に負けて悔しいってのは、結構ありますね。選抜で東京と全然歯が立たずに何度も負けたのとかも悔しかったです。
ただ、BFCで1年目のクラウド戦に負けてしまったのが一番ですかね。その年は、選手権も負けて、リーグでも負けたので、タイトルが取れず、ほんとに悔しかったです。結局その年にクラウドは関東に上がったんですよね。
クラウド戦の時はいつも観客も多く、全力でぶつかって負けたので、力の差を感じ本当に悔しかったのを覚えています。
実は無所属の時も選手権とか単発で何度もチャレンジしたんです。群馬で一番になるために。自分でいろんなチーム作ったりもして。でも毎回クラウドには負けるんですよね。俺の群馬でのフットサルってクラウドに勝つ為にやってるみたいなとこが正直あったんですけど、クラウドには負け続けてるんです。俺、今まで公式戦で1回も勝ってないんですよね。いつか勝ってみたいですね。
フットサルに対して、それまで持ってた自分自身の考え方が変わったりしたのも、やっぱりクラウドの影響が大きかったと思います。
Rabonaってチームで選手権に参加した事があって、その頃は図南を退団した直後で自分のフィジカルにも結構自信があって、信頼できるメンバーと戦って、BFCにも勝ってクラウドに挑戦できたんです。でもクラウドには0-5で負けたっていう・・・。そこは結構転機だったかもしれないですね。フットサルをやらないと本当に強い相手には勝てないんだという想いが芽生えた頃だと思います。
それまでの自分を変えてしまうくらいの悔しさがそこにはあったんだと思います。(笑)
その後のBFCでのチャレンジについて教えてください。
BFCに所属してからは、フットサルを独学というか自分の考え方でやっていた頃の気持ちとは本当に変わっていましたね。自分からどんどんダイスケさん(BFC監督/高島大輔)に聞きました。言われる内容も、何だよそれって思う事も最初はたくさんあったけど、とりあえずやってみないと話にならないと思い、強い相手でも必死に取り組みました。実践してみて、確かに!!って思う事も多かったです。フットサルって、どうやったら一番効率よく点取れるの?みたいな所からスタートして、カウンター、強い相手でもボールを回す為にはどういうポジショニングを取らなきゃいけないのか、など、実戦的な部分も多く学ばせてもらいました。攻撃的な部分で個人的には結構自由にやらせてもらえてたと思うので、じゃあ俺がそれを出す為にはどういうポジショニングで受けた方がいいとか、ボールを貰う前の動きとかもアドバイスを受け、実践していましたね。
BFCで過ごした2年間は自分にとって特別で、本当に成長できました。ダイスケさんや当時の仲間には感謝の気持ちでいっぱいです。
フットサル独特の戦術的な部分等が息苦しいと感じる選手も多いそうですが、高橋選手は転向した時にそういうことはありませんでしたか?
それには全然、否定的な思いは無いですね。昔はそういう事を考えたりもしましたけど。
そういう戦術的な戦い方を選んでるのには、それ相応の理由があるから、チームとして勝つためにそれをやろうと選択してるんだと思うんです。だから、そこに関しての抵抗は全く無いですね。
自分が例えば、クラウドや関東リーグのチームに所属したとして、求められていることはもちろんやるし、勝つためにチームの中で個々が持つべき重要な部分だと思っています。
フットサルを本格的に始めるにあたって、戦術的な部分が多くてフットサルは細かいから嫌だという人たちがいるじゃないですか。そういう人たちに話をするんだったら、まずその人たちの良さを引き出すところから始めて、じゃあそれを出すためにこれをやろうよって言い方でチーム戦術を伝えていきます。おそらく、伝え方が問題で、それが嫌でやめちゃうんですよね。だから表現や伝え方を大切にしたいと自分では考えています。
自分も初めはフットサルの戦術的な部分において理解できず否定的なタイプだったんで、よく分かるんですよね。それやる意味あんのかよ、目の前の敵抜いて点取ればいいっしょ。みたいな。(笑)
ただ、やっぱりクラウドに負けてしまう事が自分の中では大きくて。何で勝てないんだろう、相手の選手と比較しても自分の方が優ってるし気合いもあるしって、自分の中では思ってるんだけど、結果いつも負けてしまう。
何が足りないんだろうって時に、戦術的な事を含めフットサルについて、もっと自分で学んでいかなきゃっていうことに気付けたのだと思います。だからこそ今はその重要性をなるべく早く気づいて欲しくて、自分から発信して周りの選手に伝える様にしていますね。いまのAmigressoに入団してからは特に意識してやっていました。勝つために必要なことなんで、理解してもらいたい。だからこそ同じ視点に立って、俺も最初は理解できなかったよ、っていうのは伝えるようにしていますね。
高橋選手のフットサルについて教えてください。
相手にとって怖い選手、怖いプレーを選択する選手、というのを理想としています。それはサッカーでもフットサルでも変わらず心がけてきました。
ドリブルが得意で、特徴としては左サイドでボール受ける事が多いです。右利きなんですがシュートは両足打てるのが強みです。
縦へのドリブルが最大の武器なんですが、県内のチームは縦の対策とってくるんで、いつの日からか簡単にはやらせてもらえなくなりました。縦突破からのシュートで得点シーンを演出するというのは結構自信を持ってたんで、カットインからのプレーで点を取るというのを課題に昨シーズンは取り組んでいました。結果的に右足でのシュートも増えてるし、そこからのゴール演出も増えたのでプラスにはなってると思います。今はプレースタイルを変えるというよりも、プレーの幅を広げなきゃいけないのかなと思っていて、新しく取り組んでいることもあったりします。
昔と比べると無駄なプレーを省いていった感じですかね。昔はとにかくがむしゃらにやってたんで。目の前の敵と全部勝負!みたいな(笑)
BFCに入ってから周りを使うプレーっていうのは増えたかもしれないです。場数を踏んだというのもあると思うんですけど、今、どういう状況なのかというのを見れるようになったと思っています。相手の顔、味方の顔、誰が調子良くて悪いのか、相手が今どういう詰め方してきているのかとか、相手の何番がちょっと疲れてんなとか、試合中で見れるようになりました。BFCの関東入替戦の時も、すごく冷静にやれてたので自分でも変わったなと実感しました。
昔は本当にとにかくがむしゃらでした。ただ勝ってやるみたいなことしか考えてなかったと思います。だけど、最近少し迷いがあって、、その頃の自分のメンタルが今の自分に必要なんじゃないか、と。なにがなんでも点獲ってやるみたいなメンタル。それが相手にとっても脅威なのではないか、と。最近のプレースタイルと昔のプレースタイルを自分の中で比較して、自問自答したりしています。
課題もあって、特にフィクソでのディフェンスはまだまだだなって思います。ハイボールを狙われてる部分もそうだし、カバーのタイミングやフットサル独特のディフェンスも覚えなきゃなとは思ってます。まだまだたくさん課題はあるので、しっかり修正していきたいと思っています。
群馬フットサル選抜での活動について教えてください。
自分にとってはプラスでしかないですね。群馬県の選抜選手として戦うというプライドや喜びもあります。他県の選抜だったり、そういうレベルの選手たちと対戦出来る貴重な機会なんで、成長するにあたってプラスでしかないと思っています。
ただ、少し残念なのが、最近の群馬県選抜にクラウドの選手が入っていないというところ。難しい問題があるとは思いますが、クラウドの選手たちを含めた県選抜として活動したいというのが一選手としての本音です。それが真の群馬県選抜なのかなと。
クラウドのメンバーは技術的にも優れていて、群馬を引っ張れる存在である事に間違いはないです。自分自身、一緒にプレーさせてもらった選抜活動では全国大会での優勝を含め良い経験をさせてもらいましたし、多くの事を学ぶ事が出来ました。
群馬県のフットサル発展の為にも、可能性を秘めた選手が化けるきっかけになる機会としても、選抜活動は重要だと感じています。
全国大会ではライバルでもあるCLOUDのメンバーがチームメイトとなりました。一緒にプレーした際にCLOUDのメンバーからどんな事を学んだのでしょうか??
洋介さん(小林洋介選手/CLOUD)は、チームに対してベンチにいる時の声かけとか、あの人からベンチに戻った時に声をかけてもらうことが絶対的な安心感になり心強くて、フィールドに立っていない時にチームの誰よりも戦っているのがわかる選手って本当に貴重で、こういう選手ってすげぇなって素直に感じたのを覚えています。
あとはアツさん(須崎充樹選手/現在は東京都チームへ移籍)も関東大会の時に色々と話したんですけど、言う事が的確で凄く勉強になりました。自分が試合を見る限りでは、今は群馬がボールを回せていて保持率も高いし相手も嫌がっているのが見える。点は入ってないけど得点の近いところまで来てるシーンが何個も続いている。これは前半のうちに、点を取って突き離すとこだろうと思って、自分が出せるプレーを全力でやって、ゴールを狙うプレーを続けていたら怒られたんです。怒られたというか注意というか、エンジンかけすぎ、試合を1試合通じて見ろ、今はまだ全然無理するところじゃない、と。まだ0対0でどっちに転んでもおかしくないゲームなのに、自チームが攻勢になってる状況で、やめろとはっきり言える。状況を見ろよ、今行くところじゃない。絶対後半にチャンスが来るから、相手がバテるから、勝負は今じゃないって言われ、終わってみればその通りの結果になっていた。この人の試合見る目すげぇなぁと素直に思いました。的確なアドバイスで、自分には全ての事が目からウロコでした。
有言実行なんですよね、クラウドの選手みんな。言う事とそのプレーがほんとに伴っているので、アドバイスなんかも自分の中にすっと入ってくる感覚がありました。だからその経験を還元したいって思ったんです。その時に所属していたBFCにもそうだし、その後にフットサルを一緒にやってきた人たちに伝えていかなきゃ、という意識が芽生えました。
全国大会での経験から責任感が芽生えたという事なのでしょうか?
それは、あるかもしれないですね。昔は自由にやりすぎてて自分のことばかり考えていましたが、今はもう少し全体をみるようになったとは思います。チームとしても群馬県全体としても。今更ですが、昔に関わった方々には本当に迷惑をかけてきたと反省しています。笑
高橋選手は所属チームではどんなキャラクターなのでしょうか??
自分ではムードメーカーだと思ってます。元々、仕切ったりするキャプテンていうタイプでもないし、チームが暗くなってるなぁと感じたら明るく振る舞ったり、固いなぁ感じならおちゃらけて緊張感をほぐしたり、状況に応じて行動したりしています。本当は周りに気にせず自由にやるのが性に合ってるのかなって思いますけど、年齢的にあまりそうも言ってられないので。(笑)
でも弱い部分も見せたりしてます。見せるし、相談もするし、自分の想いも伝える。最近でいったらAmigressoが選手権で最後に負けた時や、昨シーズンが終わった時も、みんなの前で泣いちゃってますからね。なんか溢れ出てきちゃって、みんなの前で話してる時に泣いちゃって。精神的にダメージ受けて一人で落ち込んだりもします。
そういう部分もあるので結構めんどくさいタイプかもしれないですね(笑)
長く群馬県でプレーしていますが、他県との違いを感じた事などはありますか?
関東リーグのチームとかと練習試合をさせてもらって、比べてみるとやっぱり差があるなと感じていました。
一番はスピードですかね。判断のスピード、止めて蹴るのスピードもそうだし、抜けるスピード、寄せるスピード。すべてにおいてスピード感はやっぱり全然違うなって思いましたね。練習試合も一試合目とかは、多少戸惑ったりするんですけど慣れてくるとそのスピードに慣れてる自分がわかって、後半の方とか全然できちゃったりとかするんですよね。でも、それって公式戦じゃもう遅いんですよね。練習試合だから、いい試合したよねってなるけど、それって公式戦だったら負けてるよねってのが多かったです。
群馬リーグの変化についてはどう感じていますか??
うーん、正直変化があまりないなぁとは感じています。最終順位に変化がないというのもあるんですけど、戦い方が同じで、新しいスタイルでチャレンジしてくるチームが少ないという印象はあります。やっぱりとりあえず引きで守ってっていうのが多いですよね。
それが結構何年も続いてて、入替戦に行った時に圧倒されちゃって、ていうのは感じてます。リーグとしての競争力が入替戦の最後で出てしまうというのはある気がしています。
ただ、個人的にF-LOTTSは好きです。試合をやっていて、彼らは楽しんでるんですよね、フットサルを。一つ一つの局面を純粋に楽しんでいて、1対1の場面でも、負けたら負けたで結構悔しがって、その後修正してきたり、頑張って足伸ばしてきたりとか、そういうチームって対戦していてやっぱり脅威ですよね。去年の後期、選手権と対戦したんですけど、やりづらさはありました。だけど対戦していて自分も楽しかったんです。彼らは良いチームだなって改めて思いました。まだ若いチームなのでこれから経験を積んでもっと良くなって、これから群馬を引っ張っていってほしいですね。
今は倒すべき相手となった古巣BFC(Alla vita sport Gunma)については?
やっぱり勝負強いです。敵でやっていて、最後に何か執念めいたものがあるというか、チームで向かってくる感じが凄いと思います。特に残り3分とか5分はチームが違うんじゃないかという位、違いがありますね。今マズい時間だなぁって思ってる間に一気にひっくり返されちゃったりとかするんで、地力があるなぁと思っています。正直、あれが欲しいです。自分のチームに、あの底力が。
今のチームはどんなチームですか?
攻撃とか守備もそうですけど個人の能力を活かしながら、そこを潰さないようにやっています。個人能力を活かす為にみんなで考えて戦っています。そして、一番感じるのは良くも悪くも喜怒哀楽がすごく激しくて、色んな事に左右されちゃうんですよね。失点したら、シーン。。点とったら、よっしゃー!!みたいな。そこはもう少しいろんな試合を経験して乗り越えて、試合巧者に変わってくるのかなぁ、とは思っています。
そういった部分についての改善を考えたりはしていますか?
自分ができることとして、普通に鼓舞して盛り上げたほうがいいのか、大丈夫だよって冷静に見せて落ち着いてもらったほうがいいのか、あえて何も言わず結果を示して引っ張っていったほうがいいのか、ゲームの中でいろいろな手段を試したんですけど、なかなかうまくいきませんでした。その部分は今後のチームの課題でもあると思います。
でも徐々にチームとしての完成度は上がってきてると思います。自分が入団してからは確実にフットサルに対して向き合おうとする選手が増えました。それは自分の影響かどうかはわからないんですけど、徐々に変わってきていると思います。
入団当初は言い訳を聞くことが多かったように思います。自分は負けた時に、ああしてたら、こうしてれば、俺たちが勝ったとかっていういわゆるタラレバ発言が凄く嫌いなんです。負けには必ず理由があって、そこに個人で、チームで、向き合わないと絶対に何も成長することはできない。そこはしっかりみんなで反省するようになったし、ちょっと反省しすぎかなと思う時もあるくらいなので、負けた時の言い訳みたいなのがチームから出てこなくなりました。
チームとして、あと1歩っていう接戦をものにできない試合が多く、そういう試合で結果を出すにはどうしたらいいのかっていうのは自分もいま模索中です。
当初に比べて変化した部分などはありますか?
最初の頃は個人として何もできていない試合とかが多くて、チームは勝ったけど、俺なんもしてねーじゃんみたいな気持ちも正直ありました。10番を背負ってることもあり、チームの勝利ために戦っている自分がいいのか、自分が活躍するからチームが勝つのか、など理想像とかを結構迷ったりもしました。ただ最近ではふっ切れたというかそういう想いは無くなりましたね。とにかくこのチームのメンバーで勝つために、そのために必要なことをすべてやればいいやって感じで。
フットサルの経験が少ないチームメイトたちにはどう接しているのでしょうか?
仕事としてサッカーのコーチしていた経験があったりもして、普段から褒める事は大切にしています。自分が褒められて伸びるタイプだと思うので、褒めてその人のプレーを出させることを優先したほうがいいと思っています。否定せずに、まず褒めて、それから、でもこうした方がもっといいんじゃないという伝え方をすると吸収力が違うように感じます。
現在は関東リーグを目指して戦っています。チームで昇格するのではなく、個人として移籍をしてチャレンジしたいとは考えたりしないのでしょうか???
個人としては関東リーグでプレーしたいという気持ちはすごくあります。クラウドから声をかけていただいたりしてたんですけど、関東リーグ所属チームがこんなに近くにあって、本当にチャレンジしたいと思っていました。ただ、所属するには仕事や家庭の問題もあって。。
そういう気持ちがあったから、バルドラール浦安を受けたり、サトシ(石関聖/現ボアルース長野)とかの影響で海外でチャレンジしてみたい、とか思っていた時期もありました。
その中で、長年誘っていただいたクラウドに所属しなかったのには個人的な理由があって、最初の話に戻っちゃうんですけど、俺はクラウドには負け続けているんで、このまま勝ち逃げされたくなかったんです。どうしてもクラウドに勝ちたいんですよね。やっぱり勝ちたいんです。勝ってから関東リーグへ行きたい。勝ててないっていうのは自分の中でずってあって、自分が負け続けたチームに移籍っていうのもなんか悔しくて。
だから一度でも勝っていれば、すんなり所属していたかもしれません。(笑)
もちろん今まで自分が所属してきたチームには、魅力を感じて入団させていただきました。だからこそ今の環境で優勝したいって強く思っています。
群馬県リーグで対戦する選手で意識している選手はいたりしますか?
点を獲るライバルで考えたら、すげぇなぁって単純に思えるのは、やっぱり八高さん。メンタルとか、シュートパターンだったりというのはノブさん。新しいところでいうとオスカル。点を獲るとこでいえばそこですかね。それぞれの選手の武器をよく参考にさせてもらっています。
逆に対戦相手に意識されたりするのを感じる事はありますか??
特に誰がってのは感じないですけど、県内のチームとやる時は難しいです。県外のチームと練習試合とかやった時の方がズバズバ縦抜けができて、縦に対しての意識って群馬では全体的に持たれているんだなって改めて感じます。あとドリブルしてくるなって構えられてるのはわかりますね。
Amigresso前橋に入団するきっかけにもなった深町監督について教えてください。
とてもいい関係を築けています。自分をチームに誘ってくれた人だし、曖昧な返事しか出来ない時期もあって、当時は申し訳無さもありました。やりたくてもフットサルを出来ないっていう環境もあった中でずっと声をかけ続けてくれていたので、ほんとに感謝してます。他のチームに誘われてもこのチームでまず結果を残せてないし、チームに何かしてあげられた事ってカタチとしてないんですよね。優勝もないし、個人タイトルを取ってるわけでもないので、何かカタチとして恩返しをしたいと思っています。
今後どうしたいとか、何歳くらいまで続けていきたいとか考えたりすることはありますか??
年齢的にも、もう移籍する事は無いんじゃないかなって思います。あるとしたら第一線から退いたか何かで自分でチーム作って、とかそういうのは可能性としてあるかもしれないですけど、仲良い仲間を集めてとか。
特に何歳までとかって考えてはいないです。限界って感じるんですかね?性格的に。(笑)根本的に負けず嫌いなんで。多分、その負けず嫌いっていうところと、フットサルやサッカーに対しての探究心じゃないけど、好きっていう気持ちは誰にも負けていないと思います。
いろんな人を見てきてすごいなぁ上手いなぁって思う人はたくさんいましたけど、やっぱりそういう人に自分は惹かれます。話しをしていて、洋介さんとかダイスケさんとか、ほんとにフットサルが好きなんだなと感じました。
だから、仕事の状況とかもあると思いますが、自ら区切りをつけずにやれるとこまではやっていこうと今は考えています。
あとは、自分の子どもにプレーしている姿を見せたい。自分が一生懸命に何かに取り組んでいる姿を見せたいです。チームスポーツなので、チームで勝利の為に力を合わせて取り組んでいる姿を見せたいです。ちょっと曖昧なんですけど、子どもがそういう事をわかる、理解できるぐらいまではプレーしてたいですね。上手いとか下手とかそんなのはわからなくていいんですけど、パパ何かのために一生懸命頑張ってるなぁくらいに思ってもらえれば満足です。(笑)
私生活でも子供が出来て環境が変わりましたね。子供が出来た事でフットサルに対する意識が変わったりはしましたか?
気持ち的にはそうですね、昔は優先順位が完全にサッカーやフットサルが1位でした。仕事とかもそっちのけでしたし、ほぼ毎日蹴れるとこで蹴っていたように思います。今はどうしても家族が1番になって、思う存分やれてるかといえばそうでは無いですけれど、家族を理由にはしたくないので、なんとか必死にやっています。
最後に群馬の方々へメッセージをいただけますか??
この度ぐんさるねっと様からこのような機会を頂戴し、群馬でお世話になった皆さんに感謝の気持ちを伝えさせていただけることとなりました。
仕事の転勤ということで今季リーグ戦途中で群馬から離れなければならなくなり群馬のフットサルにも参加できなくなってしまいました。
群馬のフットサル/サッカーを通じて色々な方に出逢うことができました。そしてたくさん迷惑をかけました。でもそのどれもが今となっては本当に掛け替えのない思い出です。群馬で過ごした日々は自分にとって本当に幸せな時間となりました。
これからのことは未定ですが、またどこかで出逢えたらその時は是非また一緒に楽しく蹴りましょう。
遠くにいても、群馬のフットサルが盛り上がり発展していくことを願っています。皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。
こんな俺でしたが、今まで本当にありがとうございました!感謝の気持ちでいっぱいです!また会う日まで!
髙橋 重大
撮影協力:フットステージ新前橋
取材:スタッフY
記事:Aoi Domoto
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