全てはフットサルの為/石関聖

2011-10-18
特別企画/特集

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2011年5月23日、一人の青年が中国へと旅立った。関東フットサルリーグ2部のフトゥーロに所属していた群馬県出身のフットサルプレイヤー石関聖だ。 彼は中国へ渡りプロのフットサル選手としての道を選んだ。狭くて細い道と語る彼は、その道がどこへ続くのかを知る為に自ら厳しい環境を選んだ。 アジアNo.1を決定するアジアクラブ選手権での名古屋オーシャンズとの戦い。異国の地での生活。 「フットサルの日本代表」を目指す彼の中国での日常や、フットサルに対する意識。久々に帰国した彼の言葉にはたくさんのメッセージが詰まっていた。

ありがとうございます。では早速本題へ入らせていただきます。 今回の中国フットサルリーグへの移籍のきっかけを教えていただますか?

元々『海外でフットサルをしたい』という気持ちがあった所に、去年から中国フットサルリーグでプレーをしている、群馬出身の森田達也に久々に会って、中国のフットサル事情を聞き、『今だ!』と思いました!

移籍に対しての迷いや不安等はありましたか?

衝動的に決めましたが、実際、中国フットサルリーグについての情報量は非常に少なく、契約が決まってからも、何もわからない状態だったので、多少の不安はありました。 でも、逆に、何もわからないところにめちゃめちゃワクワクして、めちゃめちゃ燃えてましたね。 『何もわからない=未知数』ですからね。 フットサル選手であり、冒険家である、的な感じですかね。笑 なので、中国に挑戦するにあたって、『何があっても自分から投げ出す(レベルや生活環境、etc…による妥協)ようなことは絶対にしない!』という覚悟を決めてから、最終的に中国に来る時には、迷いや不安は一切有りませんでした。

実際に移籍してみての感想はどうでしょう?

中国に来て、約4ヶ月が経ちましたが、この4ヶ月間はめちゃめちゃ濃くて、当たり前ですが、日本にいたら経験出来ない事ばかりです。 特に、6月末にカタールで行われたAFCフットサルクラブ選手権に出場出来たことは、フットサルを始めて以来、初めての大舞台で、更に、名古屋オーシャンズと対戦したりと、めちゃめちゃ貴重な経験を積む事が出来ました。 僕は、中国フットサルリーグの中で、万年2位的な感じで、中国代表選手が4人いたりと、中国の中では比較的強いチームでプレーしています。 しかし、僕もフットサルの事はまだまだ全然わかりませんが、それでも、僕がフットサルを始めてから経験してきた様なこと(練習や戦術全てを含めて)は、ほとんどやりません。 というか、出来ません。監督もフットサルをよくわからないみたいです。笑 正直、こういった環境の中でフットサルをやる事を望んでいた訳ではないし、メンタルの弱い僕には、めちゃめちゃ辛い事ばかりです。 まだ4ヶ月しか経っていませんが、もう2年くらい経ったくらいの気持ちです。笑 でも、そういった事も全部含めて、フットサルも生活も言葉の勉強も、日本にいたら味わえないくらいいろいろな事があるので、めちゃめちゃ充実しています。 中国に来た事を、自分自身が後悔しない様に、 『やれる事は全部やってやろう!』 今は、そんな気持ちでいます!

アジアクラブ選手権では日本一になった名古屋オーシャンズとも対戦しましたよね。 日本のチームと中国のチームに所属して戦う心境はいかがでしたか?

組み合わせが決まった時は、めちゃめちゃ嬉しかったです。アジアカップで日本のチーム以外で出場するのは僕が初めてだし、そこで更に、オーシャンズと戦えるってのは、めちゃめちゃ貴重な経験だし、ムダにしたくないって思いました。 やっぱりオーシャンズとの試合は、自分の中で特別だったし、いつも以上に『絶対に点獲って、勝ってやろう!』って思って試合に臨みました。 実際は、点も獲れませんでしたし、1-8の大敗でしたが。笑

実際にアジアクラブ選手権を終えて学べた事や、振り返ってみての感想を教えてください。

終わってみて思う事は、『また出たい!』って事ですね。 中国に来て約1ヶ月でアジアカップを経験出来たことで、その経験が今では目標になってますし、ものさしになってます。 もしアジアカップを経験出来てなかったら、今のモチベーションはないかもしれません。笑 とにかく、得たものはめちゃめちゃ多いです! 次アジアカップに出場したら、アジアのクラブチームと対等、もしくはそれ以上に戦える様に、チームとしても個人としても成長したいと思います。 また出場できる様に、まずは『中国リーグで優勝する』事を目標に、初心を忘れずに、日々成長して行きたいと思います。

現在、フットサル選手としての目標を教えてください。

中国に来た理由はいくつかありますが、1番の理由は、『フットサル日本代表として、来年のW杯に出場する』という事です。 僕は、中国でプレーする事が、この目標を達成するのに1番の近道だと思いました。 この目標は今でも変わっていません。

中国での生活はいかがでしょうか?特にプライベートの時間などは何をして過ごされているのですか?

僕のチームは、浙江省の杭州市にあります。 杭州市は、『西湖』という世界遺産の湖があり、観光地として世界的に有名な都市です。 ここ数年で急激に経済的に発展して来ているようで、特に『西湖』の周辺は街も栄えていて、めちゃめちゃ住みやすいところだと思います。 チームの寮も、栄えた場所に有ります。 しかし、今は、本来の寮が改修工事のため、『簫山』という、杭州の中心街から車で約40分の街の、はずれにある浙江体育学院というスポーツ施設の中で、チーム全員で共同生活をしています。 この施設の周辺は、なかなか田舎で、1番近い街に出るのには、車で20分くらいかかります。 ここでの生活の1日の流れは、主に、 朝食〜練習〜昼食〜練習〜夕食〜フリー という感じの流れで、月〜土曜までがこんな感じです。 週末にリーグ戦がある時は、月〜木曜までこんな感じで、金、土曜が試合です。 ちなみに毎日の夕食は17時半です。笑 食事は、基本的に、施設内にある食堂で中華料理のバイキングで食べます。 食堂の料理は、美味しいのですが、9割の料理にもの凄い量の油が使われているので、正直なところ、まともな食事はあまり取れていません。 なので、たまに、日本料理を食べるためだけに街に繰り出したりしてます。笑 フリーの時間は、出掛けたり、中国語の勉強をしたり、フットサルの試合を見たり、ネットで映画やドラマを見たりしてます。

群馬県のフットサルについて現状に対して思うことはありますか?

僕が群馬県リーグでプレーさせてもらっていたのが、大学1年生の時の(約6年前)の1年間。 大学2年生からは本格的にフットサルを始めようと考え東京にあるチームでフットサルをする様になってしまったので 今の群馬県リーグの現状をよく把握出来ていませんが、確実にレベルは上がって来ていると思います。 正直、レベルの上がる速度が、他の県リーグや都リーグと比べると少し遅いかなと感じています。

より良い環境にする為には何が必要だと思われますか?

仕事や家庭がある中で、難しいとは思いますが、選手ひとりひとりの意識や目標を、もう一つ二つ上げる必要があると思います。 例えば、目標を『県リーグ優勝』から『関東2部リーグ参入、優勝』や『選手権全国大会出場』など。 実際に実現する事は難しいかもしれませんが、こういった事を実際に実現して行くことで成長が得られるのではないかと考えています。 生意気言ってすいません(笑)

将来的に群馬でプレーする可能性はありますか?

もちろんあります! 受け入れて貰えるチームがあればですが(笑)

見てくれた人へのメッセージをお願いします。

どうも、はじめまして。石関です。 僕は今、中国フットサルリーグに所属していて、浙江省の杭州市を拠点にしている『浙江黄龍』というチームでプレーしています。 今は、仕事もせずに、ボールを追いかけたり、重いものを持ち上げたりと、ボールを蹴るだけには持って来いの毎日を送っています。 『何も考えずにフットサルだけをしたい』と思った結果、中国に行き着きました。 なんで中国?とか疑問に思われる方もいるかと思います。 実際、良い事ばっかじゃ無いし、辛い事もめちゃめちゃあります。 なので、僕もこの判断が正しいかどうかはわかりません。 でも、この判断が正しいかどうかを示すのは、全部自分次第だと思ってます。 環境の影響はめちゃめちゃあると思いますが、その中でも結果を出すのは、全部自分次第で、どうにかなるんじゃないかな、と思ってます。 そんな事を中国から証明出来たらと思い、日々の練習に取り組んでいます。 今、僕は中国にいますが、今後も、故郷である群馬県のフットサルの発展に少しでも貢献出来たらと思っています。 群馬のフットサルをもっともっと盛り上げてやりましょう!!

最後に一言いただけますか?

今回は、無名でしょーもない僕に、興味を持ち、この様な機会を与えて頂いたvelfarreさん、ぐんさるネットさんに心から感謝したいと思います。 ありがとうございました!!

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