日本フットサルの歴史

1970年代

日本のフットサルの歴史を紐解いていくと、その起源にはサッカーを知る人にはとても馴染み深い名前が出てきます。今でこそ日本のサッカーはワールドカップに出場し活躍できるレベルにまで成長しましたが、今から40年程前は欧州や南米のサッカーとの技術レベルの差はあまりにも大きいものでした。1970年代、思うように技術が向上していかない現状に日本は頭を抱えていました。そこに現れたのはセルジオ越後、ラモス瑠偉、アデマール・マリーリョといったブラジルを始めとする海外からやって来た日本サッカーの開拓者達でした。彼等は欧州や南米の小さなサッカーコートから、路上や空き地といった小さな空間で日常的に行われているミニサッカーという文化が日本には無いことを指摘しました。ここからまずはフットサルの前身とも言えるミニサッカーが日本の地でも広がっていくことになります。

ミニサッカーの普及

さまざまなミニサッカーの大会が認知を広めるべく開催されていきました。1973年と1974年には日本リーグ全8チームが参加した「第一回ミニサッカー選手権大会」が開催されました。第一回大会にはヤンマー、第二回大会では古河電工が優勝しています。1976年にはなんと女子による大会も行われ、実践女子大、相模女子大の学生チーム、三菱重工と三菱養和によるチーム、FC神南などのOLチームが8人制のミニサッカーで活躍し、1980年まで続きました。 1979年はとても大規模な「全国少年総合ミニサッカー大会」が開催された年です。この大会は全国からミニサッカー少年が集まり、東京、千葉、静岡、栃木など会場を持ちまわりで開催しました。サロン(5人制)、ガーデン(6人制)、ミニサッカー(8人制)などの部門制を敷き総合優勝を争ったことも特筆すべきでしょう。そしてこの全国少年総合ミニサッカー大会はその後10年間続き、日本サッカー協会が主催する本格的な公式大会へと発展していきました。1992年には「全国少年ミニサッカー大会」が誕生し、この年の第一回大会には24チームが参加しました。1995年には36チームが参加するほどになり、全国的に確実に広がっています。

1977年

この年に現在の日本フットサル連盟の前身団体として「日本ミニサッカー連盟」が発足します。草サッカーとも言えるミニサッカーが日本でも広がりを見せた後、日本サッカー協会傘下にて組織化されることになり、さらなる発展をしていくことになります。初代の会長に竹腰重丸、理事長には森健兒が就任しています。

1980年

ミニサッカーの認知が日本に広がっていくと同時に、世界規模でもミニサッカーの大会が行われるようになり、日本もこの流れに積極的に乗って行きました。1982年には「第一回世界サロンフットボール選手権大会」が開催されています。この大会には日本の代表チームも参加し、9位の成績で終わっています。1989年には「第一回ファイブ・ア・サイドフットボール世界大会開催」がオランダで開催されました。この大会は現在の「FIFAフットサルワールドカップ」の前身大会です。この第一回大会では日本はグループリーグで敗退しています。また1985年には国内大会として「第一回全国選抜フットサル大会」が開催されました。この大会はフットサルにおいて日本国内で最も歴史の長い大会です。

1990年代

1990年代はフットサルの歴史において大きな飛躍となった年代でした。1994年、日本はイタリアで開催された「’94国際フットサル大会」に参加しました。「全日本ミニサッカー選手権大会」で上位入賞チームを主力として日本選抜チームを編成しました。しかし結果的に日本チームは完敗で終わってしまいます。アマチュアのチームでも日本選抜、日本代表チームです。このチームが国際大会で惨敗したことで、日本サッカー界はフットサルの強化にさらなる力を注いでいくことになりました。そしてこの1994年はミニサッカーという競技名が世界で「FUTSAL(フットサル)」に統一された年でもあります。FIFAは改正ルールを発行し、世界のミニサッカーはここに統一されました。そして日本もまた上記の流れを受け、同じ年に日本サッカー協会が設立した「ミニサッカー委員会」を9月に「フットサル委員会」改め、全国に普及させるためにさらなる強化に取り組んでいきました。この頃から「フットサル」は爆発的に日本での認知度を高めていき、1996年には中学生年代の全国大会である「第一回全日本ユース(U-15)フットサル大会」と、現在の「PUMA CUP」の前身大会である「第1回全日本フットサル選手権」が開催されました。

2000年~

2007年(平成19年)に日本フットサルリーグは誕生しました。日本フットサル連盟によって日本全国を対象に新設され、現在10チームがリーグ戦を争っています。

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